【コラム】 HONEST BOYZ®は遊び心溢れるヒップホップグループだ 「SAKURA feat. KOBUKURO」の背景

リアルサウンド
2019.2.15
https://realsound.jp/2019/02/post-319667_1.html

 LDH所属のヒップホップグループ・HONEST BOYZ®が、本日2月15日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演し、コブクロとコラボレーションして制作した新曲「SAKURA feat. KOBUKURO」を披露する。今回は放送を前に、改めてHONEST BOYZ®がどんな魅力を持つグループなのか、その遊び心溢れるユニークな特徴を解説する。


ーLDHの各グループからヒップホップ感度が高いメンバーが集結

 HONEST BOYZ®は2016年に結成。EXILE/三代目 J SOUL BROTHERSのリーダーNAOTO、m-floのVERBAL、DOBERMAN INFINITYのSWAY、EXILE/GENERATIONSのMANDY(関口メンディー)、そしてクリエイターNIGO®からなる4MC+1DJのヒップホップグループである。LDHの各グループからヒップホップ感度が高いメンバーが集結した形だ。

 NAOTOとNIGO®は共同で洋服制作を行うなど以前から親交があり、いつか音楽制作も一緒にしたいと思っていたという。そんな矢先、NAOTOがテレビドラマ『ナイトヒーローNAOTO』の主演に決定し、その主題歌「PART TIME HERO」でHONEST BOYZ®はデビューを飾った。続く2ndシングル「要!」は映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』挿入歌として使用され、デビュー曲から2作連続でiTunes ソングチャート総合1位を記録。2018年は、2月5日(NIGO®の日)に3rdシングル「HeartBreakerZ feat.CRAZYBOY」をリリースし、数量限定(777枚)で発売されたシリアルナンバー入りアナログ盤(7インチ)も即日完売になるなど、話題に事欠かないグループだ。


ー各メンバーの特徴は?

 HONEST BOYZ®、読み方は「オネストボーイズ」。意味は直訳すると、HONEST=正直な、BOY=少年(人)。この名前に隠された謎を解く鍵はメンバー構成にある。ここでメンバーそれぞれの特徴を見ていこう。

 NAOTOは『モニタリング』(TBS系)などのバラエティ番組で見かける人も多いかもしれない。人柄が良く、笑顔も素敵で誠実。そんなNAOTOもステージに立てばその表情は一変。ヒップホップダンスが得意で、キレのあるスピーディーな動きはEXILE内でも一際目立っている。ヒップホップカルチャーへの造詣が深く、デビュー前は日本のヒップホップダンスシーンを牽引するカリスマ的な存在でもあった。ファッションのセンスも抜群で、自身がクリエイティブ・ディレクターを務めるブランド・STUDIO SEVENは、ニューヨークのブルックリンにて開催されたオンラインメディア『HYPEBEAST』が主催するフェス型イベント『HYPEFEST』に出展するなど、日本発のストリート系のハイブランドとして人気が高まっている。

 VERBALは、言わずと知れたm-floのラッパーであり、2000年代には毎回異なるゲストボーカリストを迎えて楽曲を制作する“m-flo loves Who?“シリーズで、日本にフィーチャリングという概念を浸透させた立役者だ。以来、その人柄と豊富な人脈で国内外の様々な才能を招聘。奇跡のコラボレーションを実現し続けている。また、YOONと共に立ち上げたブランド・AMBUSH®は世界的な人気を博しており、ファッショニスタとしても存在感を発揮している。

 MANDYはEXILE/GENERATIONSのパフォーマーであり、明るい人柄の愛されキャラでお茶の間でもおなじみの存在だ。『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦』(TBS系)にも繰り返し出演し優勝するなど、スポーツマンとしても一流である。そんなMANDYだが、アーティストとしてはその恵まれた体躯を活かしたパワフルなクランプダンスと、個性的でクールなファッションもまた高く評価されている。HONEST BOYZ®ではラップに挑戦し、太く力強い声で新たな才能を発揮しつつある。

 SWAYは、DOBERMAN INFINITYのメンバーであり、俳優としても活躍しているが、彼の真髄はラッパーとしての才能にこそある。USヒップホップのオンタイムな流行を取り入れ、常に最新のフロウを聴かせる(しかも本格的なヒップホップダンスを踊りながら!)ラッパーで、その引き出しの多さは耳の肥えたリスナーをも唸らせる。ヒップホップの名門レーベル<Def Jam>からのソロデビューも納得の実力といえよう。また、クリエイティブ面でも才能を発揮し、DOBERMAN INFINITYでは音源やグッズのデザインも担当。先日はセレクトショップで働いていた際、はき心地の良さに感動したという『G-Star RAW』と、コラボジーンズの製作も実現した。

 NIGO®は、A BATHING APE®の創業者であり、言わずと知れた日本を代表するファッションデザイナーの一人だ。90年代後半から00年代前半にかけて、日本のヒップホップシーンの発展とも深く関わった裏原宿カルチャーのゴッドファーザー的存在の一人である。DJ歴も長く、VERBALらと結成したTERIYAKI BOYZでの活動や、国内外問わず、多数のミュージシャンとの交流があることでも知られている。


ー他では真似できないフィーチャリングワーク

 HONEST BOYZ®は、ヒップホップカルチャーを軸にファッション・ラップ・ダンス・DJと各メンバーの強みを融合させたグループである。しかし、才能の塊のようなグループゆえに、スタイリッシュさ全開かと思いきや、〈年収100円はダメですか? ダメですな ですな〉(「BEPPING SOUND feat. HIROOMI TOSAKA」より)など、リリックは遊び心満載。自由な発想でメンバー全員が楽しむことに“正直”であることがこのグループのなによりの強みだ。グラミー賞11冠のアーティスト/プロデューサーであるファレル・ウィリアムスとのコラボも展開し、NIGO®が監督をつとめた「TOKYO DIP feat. PHARRELL WILLIAMS」のMVも、茶目っ気たっぷりかつクールな映像となっている。

 そんなHONEST BOYZ®が、次にフィーチャリング相手として選んだのは、コブクロ。今夜Mステで披露される「SAKURA feat. KOBUKURO」は、昨年12月19日に大阪城ホールにて開催された音楽イベント『m-flo presents OTAQUEST LIVE』にてサプライズ披露された楽曲である。コブクロの名曲「桜」のサビを本人たちが歌い直し、HONEST BOYZ®が新たにヒップホップ的なアプローチを加えて制作された同曲は、まさにHONEST BOYZ®だからこそなし得た究極のコラボレーションと言えるだろう。過去の名曲を時代に合わせて新たに蘇らせるのは、LDHが持つ美意識でもある。今夜のMステでは、きっと生放送ならではの熱いパフォーマンスで、最新型の“桜ソング”を聴かせてくれるに違いない。

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