【コラム】マクドナルドCM曲も提供 マカロニえんぴつが奏でる、キャッチーなバンドサウンドの魅力
マクドナルドCM曲も提供 マカロニえんぴつが奏でる、キャッチーなバンドサウンドの魅力 https://t.co/M2ZX8kzM3c
— Real Sound(リアルサウンド) (@realsoundjp) February 28, 2019
マカロニえんぴつが、新曲「青春と一瞬」をマクドナルド「500円バリューセット」のテレビCMソングとして書き下ろした。
彼らのCMへの楽曲書き下ろしは、これが初めて。昨年10月には「レモンパイ」がTBS系『王様のブランチ』の10月度エンディングテーマに起用され、先日初の全国ワンマンツアーを全箇所完売させるなど、勢いが止まらない。彼らは今年間違いなくブレイクするだろう。
マカロニえんぴつは、2012年に神奈川県で結成され、はっとり(Vo/Gt)、高野賢也(Ba/Cho)、田辺由明(Gt/Cho)、長谷川大喜(Key/Cho)からなる4人組バンド。メンバー全員が洗足学園音楽大学出身で、入学後すぐにライブ活動を開始し、川崎駅で路上ライブも行っていた。はっとりのエモーショナルな歌声と、キーボードの多彩な音色を組み合わせたバンドサウンドが特徴的だ。
マカロニえんぴつというグループ名は、「マカロニ=覗くと空洞で存在しない」と「えんぴつ=無(白紙)から存在(線)を生む」ことから、無い存在を自分達で意味のあるものにしたいという意味が込められている。
作曲ははっとりがメインで担当。「はっとり」の名は、ユニコーンのアルバム『服部』に由来しており、髪のセンター分けは奥田民生への憧れの表れだという。歌い方などからもどことなく奥田へのリスペクトを感じ取れる。歌詞は聞き取りやすく、韻の踏み方も絶妙で、年齢問わず多くの人に愛される要素を持つ。メロディラインはロックとポップを融合させた軽快なものが多いが、歌詞はリアルで奥深い。幸せな瞬間を手放しで喜べない人や、昔の恋人が忘れられないような人はより胸打たれるだろう。〈鶴は千年、馬鹿は残念〉(「レモンパイ」)〈ジャスティス降臨〉(「MUSIC」)など、キャッチーかつクセのある歌詞もよく登場し、耳に残りやすい。
はっとりは言葉選びの才能もあり、Twitterでの発言には、コピーライターのようなキャッチーさと、小説家並みのポエティックさがある。
ポッケからレシートと一緒に心臓が落ちることがある。もう戻らない8日前の彼女との記録と使い捨ての心臓が悪気ない他人の靴裏に潰されるのを眺めて、冬と東京の相性を思い知る
— はっとり (@Hattori_0512) October 24, 2018
他のメンバーに目を向けると、FlyingVを愛用する田辺由明はいわゆる“泣き”のギターソロを弾くことが多い。メンバーの中ではアニキ的存在だ。電子オルガンコース出身の長谷川大喜は、様々な音色を使いこなし、軽快なリズムで曲をポップにするのが得意。そして高野賢也は、はっとりと共に作曲を行なっていたサティ(Dr)の脱退を機に作曲を開始。「イランイラン」ではアニソン好きを生かしたポップソングを生み出した。
それぞれ異なる個性を持つ4人が奏でる楽曲はどれも魅力的だが、入門曲としては「洗濯機と君とラヂオ」、最近の楽曲では「ブルーベリー・ナイツ」を勧めたい。「洗濯機と君とラヂオ」は頭に残るサビを作るのが上手い彼らの特徴がよく表れた一曲だ。ちなみにお笑い芸人・和牛の水田信二も、初期からこの曲を絶賛し、自身のラジオ番組でもオンエアしていた。
一方、「ブルーベリー・ナイツ」はかつての恋人を忘れられない女の子の物語。冒頭の〈傷つかないための気づかないフリばかりだ 信じることは悲しいこと〉という歌詞が胸に刺さる。
また、彼らの楽曲には「ワンドリンク別」「OKKAKE」「トリコになれ」「STAY with ME」など、バンドやそのファン(通称・マカロッカー)のことを歌ったものも多い。
〈永久に定休日なしで愛を売るので〉(「STAY with ME」)、〈聴けば、効くし、来てね?思わず惚れ込んでしまってくれないかな〉(「トリコになれ」)という歌詞の通り、ライブのMCでも「何回でも会いにきてほしい」とマカロッカーへのラブコールを忘れない。彼らのライブはマカロッカーと意思疎通しながら作られ、楽しい雰囲気で溢れている。彼らの音楽に対してまっすぐな姿を生で見た日には、誰もがブレイクを確信することだろう。『マカロックツアーvol.7 ~ライクからラヴへ、恋の直球ド真ん中ストライク初全国ワンマン篇~』、さらには同ツアーの追加公演も控えている。マカロニえんぴつを知らずして今年の音楽シーンは語れない。ぜひ足を運んでみてほしい。(深海アオミ)
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