【イベントレポート】indigo la Endの音楽の新たな感じ方を体験 『濡れゆく私小説展』レポート

リアルサウンド
2019.11.9
https://realsound.jp/2019/11/post-443095.html

 indigo la End が10月9日にリリースした5thアルバム『濡れゆく私小説』を表現する展示会『濡れゆく私小説展』を、11月9日・10日、目黒CLASKAにて開催する。

 本展示会では、『濡れゆく私小説』の収録曲が流れる空間の中、川谷絵音自身が撮り下ろした写真を多数展示。その他にも歌詞の朗読動画など、アルバムの歌詞の世界観を展示会という形で改めて体感できる、貴重な機会だ。

 入り口では、本の表紙のようなメインビジュアルが来場者を出迎え、『濡れゆく私小説』の世界に誘っていく。朗読動画では、川谷自身が撮り下ろした写真に合わせ、アルバム収録曲11曲の歌詞が朗読される。テーマは「元恋人から届いた私小説。綴られていたのは、言えなかった言葉たち。」。恋人の様々な表情を切り取ったような写真のスライドショーに、歌詞の朗読が重なり、登場人物への想像が膨らむ作品だ。2人はどんな日々を過ごしていたのか、どうしてこの歌詞にこの写真なのか、など想いを馳せるのも楽しいかもしれない。

 写真展示「濡れゆく私写真」展では、壁いっぱいに『濡れゆく私小説』の歌詞のタイポグラフィが広がる中、川谷が撮影した写真を展示。歌詞を読んでいくと、まさに私小説を読んでいるような感覚になる。また実際に撮影したフィルムカメラのネガも展示されるなど、カメラマン川谷絵音の写真展としても楽しめる。最後にはメンバーの素顔が垣間見えるオフショットも多数展示されているので、必見だ。

 ほかには、「みんなの濡れゆく私小説」として、大きな文庫本のオブジェに、ファン自身がマジックで恋愛エピソードを書き記していくスペースも。好きな人、好きだった人へのひとことでも良いそうだ。そして展示会場内でひときわ目立つのは、実際にジャケット写真が撮影されたという「青い部屋」。「イン・ザ・濡れゆく私小説」と題されたフォトスポットになっており、実際に部屋に入って撮影が可能だ。メンバーと同じポーズでジャケット写真の再現もできるので、服装など工夫したい人は、事前に準備していくのも良いかもしれない。また壁の色もindigo色で美しいため、背景にして撮影するだけでも素敵な一枚が撮れそうだ。


 最後にエピローグとして、川谷が2016年4月に書き下ろしたという未発表楽曲「夜の恋は」の直筆歌詞を読むことができる。ちなみに本展示会では、1stテープシングル『通り恋』が本数限定で会場限定販売される。このカセットテープには、SIDE Aに「通り恋」、SIDE Bには川谷絵音弾き語りデモ音源「夜の恋は(弾き語りデモver.)」が収録されている。また、会場ではこの展示会のためのオリジナルグッズとして、歌詞がデザインされたTシャツや、歌詞や楽曲タイトルモチーフのピアス&イヤリング、11曲分の歌詞を切り取ったしおりセットが販売される。

 本展示会は、まさに『濡れゆく私小説』という作品に没入していけるような場所だった。アルバムを聴いた時には気づかなかった歌詞の意味にハッとしたり、展示を通してファンが作品について語り合う空間にもなると感じた。アーティストがアルバムの世界観を、歌詞カードなどのビジュアルやライブとは別の方法で表現するというのは、あまりない試みのように思う。その意味でも、本企画は新鮮で楽しいものに感じたし、「私小説」的今回のアルバムと、展示会という表現の相性は抜群だった。是非indigo la Endの音楽の新しい感じ方を、体験しにいって欲しい。(文=深海アオミ)


■indigo la End 濡れゆく私小説 展

・会期

2019年11月9日(土) 

11:00開場 最終入館20:30(21:00閉館)

2019年11月10(日) 

10:00開場 最終入館16:30 (17:00閉館)

・会場

CLASKA The 8th Gallery

〒152-0001 東京都目黒区中央町1-3-18 8F Tel: 03-3719-8121

電車:東急東横線「学芸大学」駅 東口より徒歩12分

バス:JR山手線「目黒」駅 西口 3番乗り場より

東急バス『黒01(大岡山小学校行き)』乗車約7分

→「清水」下車後、進行方向に徒歩1分 右手

・入場無料

【濡れゆく私小説展 展示内容】

・濡れゆく私写真展

川谷絵音が撮りおろした二人の日々

・朗読:濡れゆく私小説

元恋人から届いた私小説。

綴られていたのは、言えなかった言葉たち。

・フォトスポット

イン・ザ・濡れゆく私小説

・みんなの濡れゆく私小説

あなたが私小説に綴りたい、恋のお話教えてください。

元恋人、好きだった人へのひとことでも。

・濡れゆく私小説 エピローグ

未収録楽曲「夜の恋は」

【濡れゆく私小説店 販売物】

1st tape single「通り恋」(500本限定)

SIDE A「通り恋」

SIDE B 「夜の恋は(弾き語りデモver.)」

¥1,100(税込)

・Tシャツ(グレー/ネイビー)

・ピアス、イヤリング

・しおりセット

・会場ではCDアルバム「濡れゆく私小説」も販売

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