【ライブレポート】ジェニーハイ、BiSH アイナ・ジ・エンドとコラボ曲披露 千鳥 ノブも登場した1stアルバムリリース記念ライブ

リアルサウンド

2019.11.28

https://realsound.jp/2019/11/post-452935.html

 小籔千豊(Dr)、くっきー!(Ba)、中嶋イッキュウ(tricot/Vo)、新垣隆(Key)、川谷絵音(ゲスの極み乙女。、indigo la End/Gt&プロデュース)からなるジェニーハイが、11月27日発売の1stフルアルバム『ジェニーハイストーリー』リリース記念フリーライブを、東京・六本木ヒルズアリーナにて開催した。

 5、4、3、2、1……とカウントダウンが終わると、白のスクリーンにメンバーそれぞれのシルエットが浮かび上がり、会場は大歓声に包まれる。「ジェニーハイのテーマ」に合わせ、メンバーが次々と登場し、自己紹介ラップを披露した。新垣が一生懸命ラップを歌う姿を後押しするように、会場から自然と手拍子があがっていたのが印象的だった。全員でジェニーハイの「G」を表した「Gポーズ」でダンスも披露。まさにオープニングにぴったりの一曲で幕を開けた。

 その後、新垣が眼鏡の上からサングラスをかけ、先日出演した『ミュージックステーション』でもらったティッシュを手に持ち、メンバーが「タモさんやん」といじる場面も。続いてQUEENの「ボヘミアン・ラプソディ」のMVを模したフォーメーションになると、「ジェニーハイラプソディー」へ。くっきー!がCDとは違った歌い方で、表情豊かに歌うのも見ていて楽しかった。

 くっきー!が「寒いやろ。20分後、体ほかほかになってるから! 六本木揺らそうぜ! 踊れ踊れ!」と煽り、「ランデブーに逃避行」へ。一気にバンドサウンドへと移行し、引き込まれていく。「グータラ節」を披露する頃には、道行く人も大勢足をとめて聴いている光景が見られた。


 そして、この日印象に残った曲の1つが、「片目で異常に恋してる」。結成から約2年、ネタバンドとは言わせない、ジェニーハイのグルーヴがそこにはあった。一見、十人十色なメンバーがそれぞれの個性を表現しながらも、一つになった瞬間を見たように思う。終盤、くっきー!と川谷がイッキュウに顔をくっつけていき、3人でキメるべきところを、くっきー!が耳元であれこれとつぶやき、イッキュウが笑ってしまう場面も。くっきー!が「念力届いちゃった?」ととぼけると、「口動いてたぞ!」とすかさず小籔がツッコミ。バンドサウンドと新喜劇ばりのMCのどちらも楽しめる、ジェニーハイのライブは贅沢である。

 「残り18曲となりました……」とくっきー!が冗談を飛ばしつつ、6曲を終えたところで、ステージに、アルバム収録曲「不便な可愛げ」でコラボしたBiSHのアイナ・ジ・エンドが登場。川谷はコラボについて、今年の5、6月に「ツインボーカルで、女子でやりたいと思った」ことから実現したと語った。近日公開予定のMVの撮影は、イッキュウとアイナは深夜1時半集合で22時に終わるというハードな撮影だったという。一方川谷は「10分くらいで終わったから、ポケモン買って帰った」というエピソードを明かした。

 その後、演奏が始まるかと思いきや、ステージ裏から「待ってー!」という叫び声が。見れば、BiSHファンであり、ジェニーハイが生まれるきっかけとなった番組『BAZOOKA !!!』(BSスカパー)にも出演のお笑い芸人・千鳥のノブがサプライズで登場。「なに順調に売れてるんですか! 『Mステ』も見たぞ」とジェニーハイの活躍を喜んだ。その後、「曲振りだけして帰ります」と言い、DJ風に「それでは聴いてください。ジェニーハイfeat.アイナ・ジ・エンドで、『ふびんなかわいげ』!」と紹介し去ろうとするも、川谷が「ノブさん、違う、「ふ『べ』んなかわいげ」!」と笑いながら訂正。その後改めて曲紹介し、「不便な可愛げ」へ。アイナのハスキーな歌声がイッキュウの透明感のある歌声に重なり、ジェニーハイの新たな一面を見せてもらった。最後は観客をバックに、ノブの「くせがすごい!」を合図に記念撮影。芸人が在籍するバンドらしい締めくくりだった。

 ジェニーハイは12月11日に『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、12月29日に『COUNTDOWN JAPAN』に出演予定だが、その後の予定は決まっていないという。今回のライブで、彼らはすっかり“ネタバンド”の域を超えたことを確信した。音楽性・エンターテインメント性共に高く、7曲だけとは思えないほど、とても充実したフリーライブだった。来年はワンマンライブの開催にも期待したい。

(取材・文=深海アオミ/写真=井出康郎)

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